電気管理技術者になるための実務経験の積み方について

実務経験

どうもこんにちは、でんますです!

今回は、電気管理技術者になるために必要な実務経験の積み方についてお話していこうと思います。

この実務経験ですが、電気管理技術者として認められるためには所定の業務を通算何年行ったか?というものを証明し、国に届け出なければ認められません。

この証明というのが曲者で、電気管理技術者を生ませ辛くする原因になってます。

でんますちゃん
でんますちゃん

国は増やそうとしているのに、増えていかない原因があるんですね!

そこで、どうやって対応していくべきか、心構えや注意点などを今回ご紹介できればと思います。

ぜひ、参考にしてみてくださいね!

電気管理技術者になるための実務経験の積み方について

電気管理技術者になるためには、電気保安に関する実務経験を規定の年数積まなければなりませんが、各保安事業部ホームページに添付されてる実務経歴証明書の記載例にあるような実務内容の会社で働かないと、基本的に実務経験にならないです。

関東東北産業保安監督部 実務経歴証明書サンプルより

また、最終的に実務経験を証明する会社印、つまり会社に認められ書類に押印されないと提出できないということで、なかなかにハードルが高いです。

中には実務経験を5年積んで、いざ独立しようとしたら押印が貰えなかったといった話もよく聞きます。

ですので、規定の実務経験が詰める会社に勤める事は大事なんですけども、そもそも押印していただける会社なのか?ってところを、働く前から確認しておかなければなりません。

中には転職するときにそういった押印をすることを保証します、と言ったような契約書を作ってくれる会社さんもいるので、もし電気管理技術者を目指すのであれば相談してみるのもいいですね。

さて、ここからは保安監督部で指定されている実務経験の内容について説明していきます!

電気主任技術者として専任されていた場合

比較的作成しやすいのがこれになるかと思います。

専任は、各保安監督部に専解任届を提出することでなることができますが、なってからの期間を実務経験とすることで実務経歴証明書の提出が可能となります。

後述しますが、もし設置者として専任をしていない場合には、設置者の押印と自分が勤めている会社の押印が必要となります。

電気主任技術者の下で業務を行なっていた場合

特高現場などで必要な上位免状を持ってない期間、あるいはいずれも持っていない期間や専任とされてなかったりしたときの年数を実務経験に含む場合は、専任の電気主任技術者の指示の下業務を行った、という形で実務経歴証明証を作成することになります。

例えば5年主任技術者の下業務を行い、その後専任され5年業務した場合は7.5年の実務経験になります。

当然、作成するときは2パターンの書き方となる点も注意しましょう。

初めて資格取得して、いきなり特高設備の専任というのもなかなか難しいので、ここに該当するケースの方は多いのではないのでしょうか。

僕はいきなり専任にさせられたパターンですが、実務経験証明書の作成時は専任した期間は使わずに、電気主任技術者の指示の下業務した内容でのみ提出しました。

作成する際は、専任となっている人の名前と免状番号を記載して、指示の下業務をした旨記載します。

また、電気主任技術者と自分の関係がわかるように、組織図も添付します。

組織図は最終的に実務経歴証明書と一緒にして提出するので、忘れないよう注意してください。

ビルメンテナンス会社の職員で電気主任技術者として専任となっている場合

これもまたケースとしては多いのかなと思います。

設置者側の立場でないので、自社の押印と設置者の押印が必要です。もしくは、設置者と結んだ委託契約書の写しなどが必要となります。

ビル管理業界としては、設置者→元請→ビルメンという流れか、設置者→ビルメンもあるのでここもよく確認しておきましょう。

ちなみに前者であれば、押印は3枚になるかと思います。

証明書の作成に関しては、専任のみの場合とあまり変わりませんが、設置者の建物である旨きちんと記載するようにしましょう。

ビルメンテナンス会社の職員として電気主任技術者の下で業務を行なっていた場合

上述した電気主任技術者の下業務を行った場合とほぼ同じです。

組織図は、委託契約されている状況がわかるように、自分の勤めている会社がどういう命令系統で契約されているかわかるように作成する必要があります。

電気保安法人の補助者の場合

関東電気保安協会やその他保安法人に勤めてる方専用の申請方法です。一般的には関係ない人が多いかと思います。

各設置者の押印をいただくのが大変なので、契約書の写しをもって申請するのだと思いますが、詳しいことはよくわかりません!

社員として保安協会や保安法人にいるのであれば、基本事務さんが全て手続きをしてくれるみたいです。楽ですね!

電気工事業者の場合

1番よくわからない申請方法です。

今までの工事の一覧や、工事工程表などが必要のようです。割と作成が大変そうなので、あまりこの内容で申請するのはオススメできませんができないことはない、みたいな感じです。

こちらも、雇用された会社の押印と設置者の代表者印が必要とのことですが、契約書があればそれだけでも申請可能のようです。

以上、6項目紹介しました!
参考にしていただければと思います。

実務経歴証明書を確実に出すために何をするべきか

電気管理技術者になるには、とにかくこの実務経歴証明書を提出できなければ話になりません。

とはいえハンコをくれない会社、これまでの実務をまったく認めてくれない会社などなどいっぱいあります。

ぶっちゃけいうと、独立します!と意を決して会社に報告して、申し訳なさそうにハンコ下さいとお願いして、それで突っぱねる会社の精神性を疑うことも多いですね。

これまで一生懸命働いてきたのに、この仕打ちはなんだとなる気持ちも物凄くよくわかります。

僕も会社で押印申請をしたとき、所属部署の上長のサポートが得られず役員に直で伝えたりして、それなりに揉めたのを覚えています。

ただ黙って頑張れよ!と、背中を押してくれてハンコも押してくれたらそれでいいんですけどね…会社組織とはなかなか難しいものです。

ということで、話がそれましたがまずは押印をいただけるという確約を、勤め始める前に取っておくことが大事で何なら確約できないなら就職しないとか、そういったことを言ってしまうというのも手ではないでしょうか。

そうは言っても、18歳で就活面接したときに23歳くらいで独立したいと思ってます!とか言ったら絶対雇ってもらえない気がしますね(笑)

でんますちゃん
でんますちゃん

確かに、いずれ間違いなく辞める人を普通は雇わないですよね><

でんますの独立戦略

ここからは戦略を立ててみます。

まず電気管理技術者になるためには、第三種電気主任技術者免状取得及び最低3年の実務経験が必要、というのが大前提ですね。

保安管理業務講習(いわゆる短縮講習)は受講する前提で計画を立てると安心です。

理想は高卒で保安協会に入社することだと思いますが、中途だと免状持ってても経験年数がないとそうそう入れないので除外です。

比較的簡単に入社できそうなのはビルメンテナンス会社ではないかと思いますので、就職活動とか転職活動の中で高圧電気設備のあるところに常駐で勤務できるか確認していきます。

なぜ常駐にするか?ですが、保安監督部に実務経験年数を確認される際常駐なのか巡回なのか聞かれます。

巡回タイプのビルメンだと、実務経験年数を満たせないよね?と言われる可能性が高いため、常駐型ビルメンになることをオススメします。

で、内定が出るあたりで実務経歴証明書の押印は要求したらしていただけるでしょうか?と、聞いておきましょう。面接とかで出席される人は現場責任者よりずっと偉い人達です。もし通れば安心ですが、ここで断れられたら縁がなかったということで諦めるしかありません。

断られても、まだまだかなりの数のビルメンテナンス会社が求人を出していると思いますので、諦めず条件が合う会社さんを見つけていきましょう。

また転職サイトについてはいろいろなものがありますが、この業界では異例の電気主任技術者専門の転職サイトがあるのをご存じでしょうか?

株式会社ミズノワさん

大阪にある会社さんですが、こちらで掲載されている転職情報は実務経験の押印を確約してる求人がたくさんあります!

ですので、電気主任技術者としてプロを目指したい!電気管理技術者を目指したい!という方は転職相談等行ってみてもいいのではないでしょうか?

でんますちゃん
でんますちゃん

こんな変わった会社さんがあるとは知らなかったです!

急な宣伝みたいになってしまい申し訳ありませんが、話を戻します。

転職に無事成功し、ビルメンになれましたら電気担当で一番偉い人やできる人がいると思うので、修業させてもらえるように弟子入りします。

ビルメンなので他の業務担当になる可能性もあります。

ですが、そうなった場合でも時間があれば電気の仕事を教えてもらうというスタンスで仕事をしていきましょう。

大体その人の下で3年くらい実務経験を積めば、ペーパーでもそれなりの対応ができるようになれると思います。

どこの職場にも、その現場を回してきた実力のある人間が1人いるはずなので、その人を見つけられないことはないはずです。

それでうまく立ち回って知識技能を習得し、独立に向け準備していきます。

また、独立までの期間中は開業費用を準備しておくといいです。

必要な金額としては大体200万程度かと思います。

リスクを最小限にするという意味でも、後はクレジットカードをいくつか作っておくとか、キャッシング枠を増やしておくとか…銀行で借入もしくは起業支援金とかがもらえれば理想ですが、なかなか難しいのでできれば自己資金で無借金経営が理想ですね!

そしていよいよ時期になりましたら、実務経歴証明書を作成していきます。

専任の方とかがいる場合は、免状番号を教えてもらっておいてそれを記入します。おそらく、しっかり関係性が構築できてれば断られることもないかと思いますし、応援してくれます。

また、ビルメンだと保安管理業務講習のお金は出してくれないでしょうから、自腹で登録し参加します。

講習期間が一週間あるので、黙って有給消化しつつ参加しておくのをオススメします。

僕はそれとなく長期休暇取ります、ということで休暇をいただいて参加してました。

そんな感じでいろいろと準備して、保安監督部の下書きチェックまで終わったら退職の意思を伝えて各種提出書類を作成し提出します。

この際、もし技術者協会や保安法人さんとかと契約する場合は、わりと締結まで時間がかかるので少し早めに面談等行うとよろしいかと思います。

以上、僕の独立戦略としては以上となります!参考にしてみてくださいね!

まとめ:電気管理技術者になるための実務経験の積み方について

ということで、今回は実務経験の積み方についてお話していきました。

僕が紹介したやり方は一例になるので、実際に試してみてダメだった場合の補償は致しかねますのであらかじめご了承ください。

ただ、最短ルートでいくとこれしかないとは思います。実際、ビルメンから保安業界に移ってきてる人は大体このパターンでした。

意気揚々と年数あるからと言って保安法人に転職して、ハンコ押してくれなくて事務仕事しかさせてくれないと嘆いている人も中にはいますので、くれぐれも実務経歴証明書を作るときは慎重に動くようにしましょう!

でんますちゃん
でんますちゃん

転職したらもう関係ないって思ってしまうんですかね?

結局、単純にいい会社かそうでないかの違いだと思います。

競合他社にいかない誓約書みたいなのを書かせる会社もいるらしいですから、とりあえずまともな会社を見つけてそこで実務経験を積むことが一番なのかもしれませんね。

それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました!

コメント

  1. おびたん より:

    でんます様
    はじめまして
    おびたんと申します。

    ブログで勉強させて頂いております。
    私も電験三種免状を持っており、最近電気管理技術者を意識するようになりました。
    企業勤の年金とか相談出来る上司がいるところは素晴らしいですが
    ・自由になりたい、
    ・キュービクるだけに限定したい、
    ・企業あるあるの面倒に巻き込まれたくない
    で独立と、企業勤の狭間で揺れています
    現年収は400程度で、500くらいで頭打ちで、600は絶対行かないです。

    質問ですが
    ①現在実務経験としては
    電気保安法人での2年半(自分が電気主任技術者)と、
    現在工場の電気係員(上に電気主任技術者あり)としての2年半で
    合計五年で認識しています。
    この場合、電気保安法人と工場企業両方から証明をもらわないといけないでしょうか。
    社長の名前印鑑に加えて、住所記載するなどなかなかハードルが高いと感じました。

    自分以外に上に電気主任技術者がいる場合、上の主任技術者免状の写しも必要なのでしょうか

    ②質問2ですが
    申請する場合、退職する形となると思いますが
    半年くらいかかるとききます
    失業手当はもらえますか

    ③年金とかどうお考えですか
    iDeCoや小規模企業共済にご加入ですか

    よろしくお願いします。

    • でんます でんます より:

      こんにちは!でんますです。

      おびたん様、ご質問ありがとうございます。

      順番にお答えいたします。
      まず実務経験についてですが、おっしゃる通り2社に証明を貰う形になります。
      どちらも滞りなく証明印を貰えるようであればいいのですが、貰えない場合保安管理講習を受講することで必要な実務経験年数を3年に短縮できるので、1社の証明だけでいけるようになります。
      もしうまくいかなかった場合、そちらも検討してみるといいと思います!
      また、主任技術者免状は自分の物だけで大丈夫です。上の方の免状については、実務経歴証明書に番号だけ記載する形でOKなはずです。

      次に失業保険ですが、私は在職中に全ての手続きを終了した(下書きを経済産業省にチェックしてもらっていた)ので、退職して実質数日で経済産業省の許可が下り、仕事を始めることができました。
      ですので失業保険をいただく手続きをしていなく、貰えるかどうかお答えすることができませんが退職してしばらく仕事がないのであれば貰えるのではないかと思います。
      明確にお答えできず申し訳ございません。

      最後の年金についてですが、国民年金と合わせてiDeCoや小規模企業共済にも加入してます。
      同業の方はほとんど加入しているようですね!

      また、気になることがあれば連絡いただければと思います!

  2. 高橋孝 より:

    でんます様
    質問宜しいでしょうか。

    電気管理技術者になるための必要な実務経験が拡充版保安管理業務講習を受けると3年間から更に1年間圧縮され、実質2年間で可能になるという方向性が経産省ワーキングで検討されていることですが、その法改正が施行される時期はわかりますでしょうか、御教示願います。

    よろしくお願いいたします。

    • でんます でんます より:

      高橋様

      ご連絡ありがとうございます。でんますです!
      法改正については我々電気管理技術者の範疇にないので、最寄りの保安監督部もしくは経済産業省へ聞いてみた方がよろしいかと思います。
      すみませんが、よろしくお願い致します。

  3. おやき より:

    でんます様

    いつも有意義な情報を発信頂き
    ありがとうございます。
    実務経験について、ご教示頂きたい事が
    ありコメントさせて頂きました。
    5年→3年への短縮講習は5月に受講する予定で、拡充講習についても内容が公表され次第、受講することを前提としますと
    2年の実務経験をどの様に積むかについて
    頭を悩ませております。
    元々、近所に住んでいる管理技術者の方から引継ぎの相談を受けて電験三種を取得しました。例えばその管理技術者の下で年次点検や月次点検に同行し、業務に携わることは実務経験として見做されるのでしょうか?また、その場合雇用関係の必要はあるのか?についてもご教示頂けますと幸甚で御座います。上記以外のパターンでも管理技術者の方にご協力頂く事で実務経験を詰める方法などありましたらアドバイスをお願い致します。

    • でんます でんます より:

      おやき様
      ご質問ありがとうございます!でんますです。

      実務経験の概念は、平日9時~17時勤務を月20日でひと月と換算し、その積み重ねになるそうです。
      それで言えば、保安法人でなくても技術者の指導の下実務経験を積んでいるのであれば大丈夫だと思います。
      とはいえ、保安監督部が実務経験であると認めない限り実務経験にならないので、一度保安監督部に確認されるとよろしいかと思います。
      以上、よろしくお願いいたします。

      • おやき より:

        仰る通り、保安監督部へ確認するのが
        間違い無さそうですね。
        実務経験についての助言を頂き非常に参考となりました。有難う御座いました。

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